EPISODE 02

リモートワーク基盤構築の記録

Fire HD 10の音声入力

Fire HD 10を使っていて、何か物足りないと思ったら音声入力ができないこと。AmazonはせっかくAlexaというプラットフォームを持っているのだから、SiriやGoogle音声入力のように色んなアプリで使えればいいはずなんだけど、Fire HDには実装されていない様子。

2017年は本格的に音声入力を使い始めたのでなんとかしてFire HDでも利用したい。とはいっても、コマンドを使ってFire HDの操作をするのではなく、どちらかと言えばテキストさえ入力ができればいい。天気を調べたりSMSで返信したりリマインダーを作ったりするのはAmazon EchoやiPhone、AppleWatchの方が向いている気がしている。

Fire HDに直接音声入力するのは一旦諦めることにして、音声入力自体はSiriから行って、入力した音声をテキストとしてFire HDにリアルタイム表示できればいいのではないかと考えた。

試してみたのはDorpbox Paper。iPhoneはアプリをダウンロードして使うことができるけど、Fire HDのアプリストアには残念ながらアプリはリリースされていない。標準ブラウザからアクセスしても、アプリをインストールして使えと警告されるが、FirefoxでPCサイトモードをアクティブにすればエラーは出ずに利用することができる。

やりたいのはiPhoneのSiriから音声で入力した文字列をFire HDの画面に表示できればいいのでいつも通りiPhoneから音声入力してみる。

実際やってみると、期待したとおりリアルタイムでiPhoneから入力した音声入力のテキストがFire HDのブラウザ上に表示されることがわかった。音声入力時に気になるテイレンシも想定していたよりずっと少ない。iOSのiCloud連携もかなり高速だけど、同程度かそれ以上の速度で同期される。この辺はさすがDropboxといったところ。

もうひとつEvernoteでも同様に試してみたけど、同期までの時間が数秒から数十秒、場合によっては明示的に更新アイコンをタップしないと同期されないことがあるので、こちらは実用できではなさそう。EvernoteはAmazonのアプリストアにもネイティブアプリがリリースされていたので少し期待したけど、残念な結果だった。

Fire HDを縦にしてポートレートモードで全体を俯瞰しながらiPhoneで音声入力しつつBluetoothキーボードとマウスで編集できるのは思った以上に快適。タブレットの画面を汚さなくていいし。

DropboxなのでOSやプラットフォーム問わずに使えるのもメリット。欲を言えばiPhoneではなくAppleWatchとAirPodsの組み合わせで同じことができるといいけど。

Fire HD 10のセキュリティ対策を考える

すっかり気に入っているAmazon Fire HD 10だけど、仕事にも使おうとするとやっぱり気になるのがセキュリティ対策。端末の設定でストレージを暗号化したりパスワードを設定したりするのは当然として、万が一の盗難や紛失時のことも考慮して、リモートでのWipe(初期化)と簡単なデバイス管理のポリシーくらいはできるようにしておきたい。

本当はMDMなどのツールを使った方がベストなのだろうけど、Fire HDに対応したMDMは限られるしアプリの配信や位置情報の取得などを使う想定もないので、今回はAmazon WorkMailのモバイルデバイス管理機能を使ってみることにした。とはいっても、いわゆるExchangeでサポートされているデバイスの管理機能を使うだけ。

WorkMailを利用している前提であれば、設定方法は非常に簡単。おそらくExchangeサーバや法人用のOffice365を使っていれば同じことができるはず。

設定を行うにはAWSのマネージメントコンソールのWorkMailからポリシーを設定する。

設定できるポリシーは以下のとおりで、一般的なMDMと比べると制限できるポリシーは少ない。

・デバイスストレージの暗号化を強制する

・ SDカードの暗号化を強制する

・パスワードの設定を強制する

・簡単なパスワードを許可する

・パスワードの最小桁数

・パスワードに数字以外の文字列を強制する

・誤ったパスワードを許可する回数

・パスワードの有効期限

・スクリーンロックまでの時間

・パスワードの履歴を許可する回数

適当に任意のポリシーを編集して保存すればOK

次にFIre HD 10のメールアプリからWorkMailの設定情報を入力すると上記で設定したポリシーがデバイスに適用される。

適用した時点でデバイスのポリシーが満たされていないときは、手動でポリシーを満たしたパラメータを入力する必要がある。(パスワードポリシーを6桁以上に強制しているのに4桁しか設定していない場合など)

端末をワイプするときには、AWSのマネージメントコンソールからWorkMailのモバイルタブからワイプするデバイスを選択し、Wipe Deviceアイコンをクリックする。

警告ダイアログが表示されたら「Wipe」をクリックする。

Fire HD 10はLTE接続でインターネットに常時接続されている訳ではないので、ワイプが実行されるのは次回インターネットに接続されWorkMailと同期された時点。

この辺はスマートフォンやiPadのLTEモデルなどと違ってセキュリティ的には弱くなるのは課題。ただ悪意のある他人に触られても、デバイスのストレージは暗号化されているし、パスワード入力を突破されたとしても、インターネットに接続されればワイプがかかり、ストレージは初期化されるので、何も対策しないよりは安心して利用できる。

仕事も遊びもAmazon中心で完全にベンダーロックインされてしまうような気がするけど、コストも運用も楽になればそれはそれで快適なのかもしれない。

Fire HD 10 2017のその後

あまり期待せずに勢い半分で購入したFire HD 10だけど、約3週間使ってみての感想なんかをメモしておく。

結論から書くとかなり満足度が高く、iPad Proの出番が極端に減ってしまっている。一番長く使っているアプリがAmazon WorkSpacesの仮想デスクトップ環境。Windowsのデスクトップ環境にアクセスしてしまえば、ほとんどの作業で困ることはない。

大抵のWindows10用のアプリが使えるし、その解像度もあってほぼラップトップを使っている感覚で作業ができる。これは単純にサービスとしてWorkSpacesが優れていることに起因すると思うので、今回はそれ以外で気がついたことを。

ブラウザ

標準でインストールされているブラウザはSilkブラウザ。Amazonが開発したブラウザなので、普通にブラウジングする分には過不足なく使えるし低速な回線でもそこそこ表示も早い。ただFire HDでのみ利用可能となっているので、WindowsやmacOS、iOS、Android版はリリースされていない様子。ブックマークやIDパスワードの保存など必要な情報が他のデバイスと連携できないのは結構辛い。

ということで、Firefoxを入れてみた。Google PlayからではなくmozillaのWebサイトからapkファイルをダウンロードしてインストールした。

https://www.mozilla.org/ja/firefox/android/nightly/all/

開発バージョンのため毎日1,2回アップデートされるので、若干面倒な感じはするけど、それ以外の基本的なブラウジングやデータの同期については特に問題になるようなことはなく、かなり快適に利用できているので暫くはFirefoxをメインのブラウザとする予定。

Fire HDとは無関係だけど、Firefox Quantumのデスクトップ用の最新バージョンのページの読み込み速度と、UIがかなり軽量化されていてChromeよりサクサク動くことに驚いた。

Bluetooth関連

使い始め当初はあまり気にならなかったけど、キーボードとマウスが突然途切れる事象が見られるようになった。とりあえずWi-Fiの設定で2.4GHzのSSIDを削除して5GHzに固定したら改善しているようなのでしばらく様子見。電波の干渉には弱そう。

キーボードは当初マイクロソフトのUniversal Foldable Keyboardを使っていたけど、iPad Proと組み合わせて散々使い込んでしまったせいか異音を感じるようになったので、logicoolのK380を使っている。

本当はHHKBを使った方が快適に入力できるのだろうけど、メインで使っているPCとペアリングしているので、都度切り替えるのが面倒になり、今のところK380に落ち着いている感じ。見た目の安っぽさはあるけどFIre HD 10も安いんだし、その辺を割りきって使えばそれなりに満足できる。Fire HDと組み合わせて使うのであれば、価格以上の価値はあると思う。

気になったのはCaps Lockキーを連打するとWi-Fi、Bluetoothの接続が完全にきれてしまうこと。ショートカットなのか不具合なのかわからないけど、Fire HD 10では日本語→英語の切り替えをShift+Spaceで行うので誤タイプしやすいのは改善してほしいポイント。

イヤホンはAppleのAirPodsをペアリングして使ってみたけど、ペアリングと音声の出力は問題ない。ただiOSのようにAirPods本体をタップしての操作はできないのと、一度Fire HDにペアリングしてしまうとiOS側で使いたいときに再度ペアリングが必要になってしまう。そのためiPhoneやiPadと併用するのは再ペアリング作業が面倒になるので、別のワイヤレスイヤホンを利用するなどの検討をした方がいいかもしれない。

Prime関連のサービス

Kindle本は、雑誌は文句なく快適だけど小説は文章と文章間の間隔が多く取られているようで、個人的にはあまり快適に読めていない。ここはPaperwhiteの方が向いているといったところ。

Prime VideoはFire HD、純正ケースとの組み合わせを知ってしまうと中毒になる可能性がある。コンテンツのクオリティの高さと充実っぷりは、1度ハマると抜けだせなくなるかも。おかげでYouTubeの閲覧時間が極端に減ってしまっている。AmazonTubeなんてできてしまったらますますAmazonに時間が奪われてしまうのではないか。

生体認証

指紋認証も顔認証も使えないけどタブレットの使い方からしてほとんど気になることはない。Bluetoothキーボードが接続されていればパスワードもキーボードから入力できるというのも理由のひとつ。どちらかといえば顔認証があればより快適になりそう。

バッテリー

液晶の輝度を常時最大にして利用しているけど、丸一日使っても途中で切れるようなことはなかった。ヘビーに使わなければ2、3日は充電なしで大丈夫なはず。

ただ充電時間は4時間程度と若干長いので、寝る前に充電して、起きたら満充電になるような運用を心がけている。さすがにこの端末にType-Cを使った高速充電まで求めるのは違う気がする。充電はmicro USBなので、切れたらそこら辺に転がっているケーブルと充電器で充電できてしまうので、あまり神経質にならなくてもいいかなと。

ケース

ケースは純正を購入して使っているけど、これは想定外に満足度が高い。Fire HD 10はケースと一緒に使う前提か。

結構気に入ってしまったので、裸で使っていたFIre HD 8のケースまで追加購入してしまった。

アプリ

サードパーティ製のアプリは絶望的。Google、Apple関連のサービスはほとんど対応していないので、ブラウザで利用するなり割り切ってしまった方がいい。

レスポンス

ゲームはよくわからないけど、安定した通信速度さえ確保できてしまえば、Fire HD 10としてのレスポンスはほとんど気にならない。あえて言えばKindle本のダウンロードがiOS端末と比較して遅いのが気になる程度。

まとめ

用途をある程度限定した使い方を想定できるのであれば、相当満足度が高いタブレットになるはず。色々制限はあるけど、その分レスポンス良くAWSを含めたAmazonのサービスが使えるのは、他のタブレットにはない魅力だなということを再認識した。